令和元年となった2019年もたくさんの書籍が出版されました。当社メディア事業開発の部長である佐々木大輔が10冊のおすすめ本を紹介します。
1)流言のメディア史 / 佐藤卓己 / 岩波
フェイクニュースの起源にさかのぼって解き明かしていく内容。フェイクニュースが今になって問題なったわけではなく昔から問題となっていたことが分かる書籍です。社内でもたいへん話題になりました。
2)真実の終わり / ミチコ・カクタニ / 集英社
フェイクニュースやオルタナファクトといった問題をひもとく本です。その起源を、ポストモダンのなんでも相対化してしまう論法に求めるところに筆者独特の視点があり、ハッとさせられるような内容でした。フィルターバブルにどうやって対抗するかという観点がSmartNewsの役割を考える上でも非常におもしろかったです。
3)西洋の自死 / ダグラス・マレー / 東洋経済
4)ニック・ランドと新反動主義 / 木澤佐登志 / 講談社
『西洋の自死』は欧州の移民問題を、『ニック・ランドと新反動主義』はネットとサブカルチャーから強く支持されるダークな思想潮流を、それぞれテーマにした本です。この2冊はリベラルな価値観に対してどちらもシニカルな見方を提示しており、刺激を受けました。
5)民主主義は不可能なのか? / 宮台真司・苅部直・ 渡辺靖 / 読書人
年末恒例の鼎談をまとめた本。この10年間、リベラルな雰囲気がそうではない方向へ変化していく中でどんなことがあったのか、という流れが一気にわかります。脚注にも力が入っていて、いまの世界を把握するのにとてもいい本でした。
6)君たちが忘れてはいけないこと / 佐藤優 / 新潮社
松岡正剛さんも大絶賛、佐藤優氏が灘高の生徒たちと対談する企画の第2弾です。若い人向けの本ということですが、本質的なディスカッションが分かりやすくなされていて、恥ずかしくて人に聞けなかった大人こそ参考にできるはず。
7)ニューズウィークの百田尚樹特集 / 石戸諭
今年は各号おもしろかった。香港、韓国、新疆ウイグル自治区、ロヒンギャ、イギリスの総選挙、アメリカの大統領選挙などいろいろな特集が組まれる中で、ひとつ挙げるとしたら百田尚樹さんについての特集が読み応えがありました。
8)聖なるズー / 濱野ちひろ / 集英社
第17回開高健ノンフィクション賞受賞作。動物性愛者たちについて書いた本で、事前の予想を超えて衝撃的。この本を書くに至った、著者が抱える必然性もふくめて、読み始めると止まらない迫力があります。このような作品にもSmartNewsとしてなにか貢献ができればと思っています。
9)三体 / 劉慈欣 / 早川書房
noteを通じて早川書房が書籍や雑誌コンテンツの発表をするようになりました。そんな中、今年は『三体』や『息吹』が話題に。内容はもとより、当社内にも米国や中国のスタッフがいますので、翻訳を通じて社内のコミュニケーションが捗ったのが印象的でした。
10)ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー / ブレイディみかこ / 新潮社
優等生の「ぼく」が通う元・底辺中学における人種差別やジェンダーなどの話題を筆者ならではの筆致で描く物語。『波』での連載から応援していた作品が、ちょうどイギリスへの注目あって大ヒットし、個人的にもうれしい気持ちになりました。前作の『子供たちの階級闘争』や引き続き発表されている続編も、もっともっと読まれてほしいですね。
著者紹介
佐々木大輔(ささき・だいすけ)。株式会社インフォバーン、株式会社ライブドアからLINE株式会社執行役員(エンターテイメント事業部担当)を経て、2017年11月、スマートニュース株式会社に入社。前職では、LINE LIVE、LINE BLOG、livedoor Blog、livedoor Readerなど、CGM(Consumer Generated Media)領域のサービス、および、エンターテイメント事業を中心に多数のサービスを担当。スマートニュースでは、SmartNewsのメディア事業開発、およびその担当部門統括を担う。
本記事は筆者と編集部の独自の取材に基づく内容です。スマートニュースの公式見解ではありません。