Media × Tech

「Media × Tech」ブログはスマートニュースのメディア担当チームが運営するブログです。テクノロジーを活用した次世代のメディアとはどういうものか? そうしたメディアをどうやって創り出していくのか、を考えていきます。

書評

書評:「グラフの父」の栄光と挫折 ——『データ視覚化の人類史』

「データは21世紀の石油である」と言われて久しく経ちます。いまや私たちはデータに囲まれて生きているといっても過言ではありませんが、実際に接しているのはデータ=数値やテキストそのものではなく、グラフや地図といったグラフィック表現です。 今日の気…

書評:ネット時代を生きる「情報の受け手と送り手」双方の必読書——坂本 旬、山脇岳志『メディアリテラシー 吟味思考(クリティカルシンキング)を育む』

ネット時代にますます求められる「メディアリテラシー」。多くの筆者を集めた話題の新刊から、その読みどころなどを紹介する最新書評。

コンテンツという「王」の帰還——書評:『音楽が未来を連れてくる』

「Content is King」という言葉があまりに使い勝手が良いので、私たちは現在その変奏のほうをよく耳にする。「Content is King but Engagement is Queen」だとか「Container is King」だとか「Context is King」などなど。どれももっともらしく聞こえるが、…

書評:「空想のインターネット」に対する追悼文——『デジタルエコノミーの罠』

2020年6月、オーストラリア政府がGoogleとFacebookの2社に対して報道機関への使用料支払いを義務づける「メディア取引法」の整備に乗り出したことが報じられた。背景にあるのは、オーストラリアのインターネットの広告費のうち71%がその2社に流れ込んでいる…

書評:出版社のTwitter“中の人”は何を考えてつぶやいているのか 『本の雑誌』2020年9月号

私はTwitterが好きだ。あのなんともいえないゆるさと自由さ、時に荒っぽさがある中で、皆が本音やどうでもいいことを吐き続ける場所がなんとも心地よい。もちろん誹謗中傷はいただけないが、炎上だってTwitterの味の一つであると思う。そして何より、日々の…

ALL REVIEWSプロデューサー・由井緑郎氏に聞く「メディアビジネスとしての書評サイト」

ALL REVIEWSプロデューサー 由井緑郎氏 読書好きから人気の「ALL REVIEWS」は、国内の著名書評家・著述家の書評が無料で読めるウェブメディアだ。フランス文学者として名高い鹿島茂氏が立ち上げ、鹿島氏に賛同した書評家・著述家がこれまでに発表した書評が…

書評:ディストピアへの恐怖とデータとUXに対する基本リテラシー——藤井保文『アフターデジタル2(仮)』

旅関係のベンチャーにいた際、中国のとある省の観光PR代理店業務を請け負ったことがある。契約をとってきたメンバーは同国籍の女性で、ことあるごとに「さやかさん、日本は何でこんなにWi-Fiがないのか。サービスも全然、新しいものがなくてもったいない」と…

2019年のおすすめ本は?:スマートニュース佐々木大輔編

令和元年となった2019年もたくさんの書籍が出版されました。当社メディア事業開発の部長である佐々木大輔が10冊のおすすめ本を紹介します。 1)流言のメディア史 / 佐藤卓己 / 岩波 フェイクニュースの起源にさかのぼって解き明かしていく内容。フェイクニュ…

書評:サブスクモデルにもヒント――アダム・オルター『僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた』

冒頭から私的な話で恐縮だが、10年ほど勤めた出版社を辞め、MBAスクールに転職した際、驚いたことの一つが、「良いテキスト」と言われるものの定義が記者時代のそれと大きく異なることだった。 内容が読者に「正しく伝わること」が良いテキストの条件と習う…

書評:トム・ニコルズ『専門知は、もういらないのか 無知礼讃と民主主義』

日本では検索エンジンが最も信頼されている。 27カ国、3万3000人を対象にしたEdelman Intelligenceによる信頼度調査は、日本人はソーシャルメディアやオンラインメディアよりも検索エンジンに「ニュースや情報に関する情報源の信頼度」を置いていることを明…